法隆寺と言えばご存じ金堂と五重塔の並列の伽藍配置。写真は大講堂から撮ったバックショット。秋空が澄み渡る景色に紅葉がチラリ。正岡子規もこの風景を見て、柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺と読んだのかもしれない。
さて、五重塔と金堂はもちろん国宝なのだが、金堂は戦後すぐ1949年1月26年に火災を起こして壁画が焼けてしまった。焼失以前に壁画は写真撮影されており、平成に入りデジタル化を進めてきた。そして、デジタル化を終えてしかるべき場所でしか観ることができないのが平成まで、令和はそれらをインターネットで一般公開するところまで来ている。
すでに観ることが叶わない文化財が最先端技術により復活した。もちろん、先人が撮影して、それを受け継いできたことが大きいが、収集・保存そして再生して活用(展示)まで進める新たな文化財の流れが出来つつある。法隆寺に行っても観ることができないものが、お家で楽しめるとはなんて贅沢な時代なのだろう。