国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

建物

豊楽寺 薬師堂

三密は仏教用語で密教の三業の総称で、手に印を結ぶ身密、口に真言を唱える口密、心に本尊を観念する意密からなる。護摩を焚いて疫病退散を願うのならば三密をもって祈念しなければならない。一方で、現代の三密はというと、密室、密集、密接を避けること。…

妻沼聖天山 本殿

感染力が強い新型ウイルスの流行により、多くの美術館や博物館が休館せざるを得なくなった。国宝ハンター格言では、観る機会があれば一目散に観るさもなくば後悔するが、ドンピシャとなったかっこうだ。他には個人所有は一期一会もある。(格言は私見です。)…

大徳寺 方丈 唐門

京の冬の旅に続いて、春の京都非公開文化財特別公開でも公開されている大徳寺。冬の旅は600円で、非公開文化財は1000円となるので冬に行っておきたい。 大徳寺といえば10月第2日曜日の曝涼展が一番おすすめだが、その時は法堂の公開はない。なので、全体を見…

姫路城

日本の城で安土桃山時代から江戸時代初期にかけて建てられ、現在まで残っているものが12個ある。地震や戦争、火事、落雷など様々な外的要因の崩壊から逃れた歴史的建物である。そのすべてが国宝または重要文化財に指定されている。 さて、国宝なのは5つで…

落慶 薬師寺東塔 知恩院御影堂

2020年春に京都と奈良で国宝建築の落慶が行われる。 ひとつは薬師寺東塔でハルカス美術館で記念展(2/28-4/19)が開催される。 https://www.aham.jp/exhibition/future/yakushiji/ もう一つは知恩院。こちらは京博の企画展として知恩院の名宝展(2/18-3/22)…

八角堂 栄山寺

平安時代に国内を牛耳った藤原家。その南家の菩提寺が栄山寺だ。藤原南家自体は奈良時代の恵美押勝の乱により失脚してしまった。藤原家全盛の時代だったことから栄山寺自体は鎌倉時代まで栄えた。しかし、藤原家の没落とともに寺勢はなくなり、一時は無住の…

慈眼院 多宝塔

関西国際空港に近い日根野駅から歩いても行ける日根神社。犬鳴山へ向かうバスに乗るとすぐに着く神社だ。神社自体は何の変哲もないどこにでもありそうな村を守る神社で、正月なので地域の人が初詣出客にお接待している。入口には一軒だけ露店が出ていたが、…

極楽坊五重小塔 元興寺

国宝建築物で五重小塔は2件ある。小塔は本物を小さくした模型のようなもので、解体すると持ち運びも可能な大きさ。ともに奈良県にあるのだが、ひとつは海龍王寺にあり、もうひとつが元興寺にある。 本体の塔自体が落雷や突風、地震などの自然災害に弱く、戦…

元興寺極楽坊本堂

近鉄奈良駅から商店街を向けると奈良町に入る。繁華街からは離れた住宅地で、少し古びた街並みの中には飲食店もところどことあり、観光客もよく歩いている。 街中にはなるのだが、昔はこの場所すべてが元興寺の境内だったというぐらい名門寺院には国宝が4つ…

富岡製糸場

明治以降の製造物で国宝指定2例目(第1号は迎賓館赤坂離宮)となった富岡製糸場。近代日本の礎を築くため、外国へ輸出するキラーコンテンツと白羽の矢が当たった生糸を大量生産するために作られた施設である。 明治政府は維新の御旗のひとつである開国をな…

鑁阿寺 本堂

国宝の鑁阿寺本堂は足利学校にほど近い場所にある。足利氏の氏寺で、もともとは館があった場所である。寺の周りは土塁と堀がそのままで、武士の館であった面影が残っている。幕府が開かれた鎌倉が観光地になっているのに比べて、足利は尊氏以降、上洛して政…

正福寺地蔵堂

東京都文化財ウィークは11月3日の文化の日を中心に各所で特別公開を行っている。普段は見ること、入ることができない文化財や施設を期間を決めて一度に公開している。関西でも関西文化の日を制定して大々的に行っているが、東京は都独自で行っている。 そ…

舎利殿 円覚寺

神奈川県内唯一の国宝建築。舎利殿は文化の日(11月3日)前後と正月三が日に一般公開している。普段は修行の場所のようで非公開。見学した時も修行僧が出入りしていた。禅宗様式の建物で、花頭窓や屋根の組み方など特徴がよくわかる。 公開は建物までで中…

光浄院客殿 三井寺

勧学院の特別公開見学の後、光浄院客殿の工事現場見学へ行く。屋根の葺き替え工事中でこのタイミングでないと屋根を間近で見ることはできない。 勧学院同様こちらも客殿ということでホテルになる。寝殿造と書院造の特長を併せ持つハイブリッドホテル。それぞ…

勧学院客殿 三井寺

三井寺にある勧学院はここ数年屋根の葺き替え工事中だった。平成の終わり頃から始まった工事も令和に入り無事完了。それを記念して特別公開された。 とはいっても、屋根をじっくり見ることが出来る訳ではなく、あくまでも屋内の見学のみ。そして、客間の豪華…

羽黒山五重塔

国宝の五重塔は9基指定を受けているが、羽黒山の五重塔以外は西日本にある。東日本唯一の五重塔で、国宝の塔としても最北にある。 修験道の地である出羽三山に鎮座する塔は冬の雪深い中で長年耐え忍んだ力強い塔である。昨年が明治維新以来の内部公開あり、…

大崎八幡宮

伊達政宗が寄進して建てた八幡さま。大崎氏の居城跡地に建設したことから大崎八幡宮と呼ばれるようになった。仙台城跡から見ると北に位置していて、平泉や山形方面からの進軍を見張る絶好の位置にある。北の守りの要として役割を果たす。 国宝の社殿は安土桃…

瑞巌寺 本堂と庫裏及び廊下

2018年まで約10年の歳月をかけて大修理が行われていた宮城県・松島にある瑞巌寺。落慶から1年が経ってようやく訪れることが出来た。 大修理が始まったころに、一度だけ松島を訪れたことがある。その時に、修理を終えたら必ず見に行こうと、工事中のお堂は…

秋篠寺

大和西大寺駅を北へ十数分。県営の寂れた競輪場の近くにあるのが秋篠寺。建物のみが国宝の指定を受けている。 国宝の本堂は奈良時代に創建されたものが火災で焼失したため、鎌倉時代に再建されたものが国宝となっている。堂内には薬師如来を中心に一列に像が…

輪王寺 大猷院霊廟本殿・相の間・拝殿

日光東照宮を見学するとそれで終わってしまうことがよくある。東照宮はメモリアルホールで本体は奥にある輪王寺である。「日光見ずして結構いうな」は東照宮だけでなく、輪王寺まで見て初めて結構と言える。 輪王寺は家光の霊廟。おじいちゃん大好きの家光が…

日光東照宮

国宝建築物で西の聖地が法隆寺なら東の聖地は日光である。徳川家康を祀るため、おじいちゃん大好きの家光が総力を挙げて作り上げた芸術の城である。 東照宮は家康を祀る建物で、 ・東照宮本殿・石の間・拝殿・東照宮正面唐門・背面唐門・東照宮東西透塀・東…

西本願寺 書院

西本願寺の国宝、書院は非公開で周りを塀で囲まれているため、なかなか観ることができない。 そんな特別な国宝を毎月16日に行われるshinran’s dayに参加すると観ることが出来る。虎龍殿で受付を済ませ、少し時間があったので境内を散策。そこで驚くべき光景…

【平成指定】正倉院

国宝の指定はほぼすべて重要文化財の中から選択される。重要文化財は国の大切な財産で、数多く指定を受けているので、その中から選ぶのが最も効率的であるためである。しかし、重要文化財でないにも関わらず国宝指定を受けたものがある。正確に言えば、重要…

【平成指定】旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)

もっとも最近に造られた国宝はなにか。それは迎賓館赤坂離宮である。明治42年にのちの大正天皇が皇太子の頃に建てられた住まいで、それを外国の要人を迎えるための迎賓館にしたものである。 すべてが洋風で、細部にわたってこだわり抜いて作られた建物であ…

【平成指定】旧富岡製糸場

平成になって国宝指定が毎年のようになされてきた一つの要因は世界遺産指定にあると思う。旧富岡製糸場は05年に国の史跡、06年に重要文化財の指定を受け、14年に国宝となった。その前年に日本産業革命の原点として世界遺産の認定を受けている。 世界遺産とな…

【平成指定】青井阿蘇神社

この夏に訪れた青井阿蘇神社は熊本県初の国宝。その時にも書いたが、国宝指定に対しての喜びようが半端ない。ちょうど10周年だったこともあり、神社には周年記念の垂れ幕が上がる。ほかの国宝も見習ってほしいぐらいの歓迎ぶりだ。 さて、平成になり神社とし…

【平成指定】瑞龍寺

97年に国宝指定を受けた瑞龍寺は富山県初の国宝である。高岡駅からほど近く、北陸新幹線の新高岡駅からも歩いて行ける距離にある。 荒野だった「関野」という地を、加賀藩2代目藩主の前田利長が整備して出来た高岡。利長の死後、家臣団はすぐ金沢へと引き上…

浄土寺 多宝塔

尾道は映画監督の大林宣彦や放浪記の林芙美子など文学的な町として、ファンたちの巡礼地となっている。山と海が接近しているというより、谷に海水が流れていると言った方が分かりやすい。 そんな景勝地としての魅力も商業地として発展なくしては誕生しなかっ…

本山寺本堂

本山寺 本山寺は四国八十八か所巡礼のひとつである。開放感のある境内の中心に本堂があり、それが国宝の指定を受けている。巡礼地では松山の石手寺二門や大山寺本堂が国宝である。 本山寺は駅から近く参拝するには好立地である。また、八十八か所のひとつに…

神谷神社

神谷神社 香川県の国宝建築は2件。立ち位置の違いがこれだけ違うのも珍しいと思うぐらい、県内での扱いが違う。まずは扱いが悪い方の神谷神社。 行くまでの交通手段が雑。最寄駅からバスが出ているものの途中下車で、そこから2キロ近く歩く。そこまでなら…

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。