下鴨神社は京阪電車の出町柳駅を降りて10分ぐらいで行けるので参拝しやすい。しかし、賀茂別雷神社、通称:上賀茂神社は近くにバス停しかなく、京都の北の外れなので観光客も狙いすまして行くしかない。(しかも、バス停は工事中で今までとは違うところで乗り降りする必要がある)
奈良時代の京都(当時は遷都前なので山背国?)では賀茂氏が相当な力を有していた名残として鴨川沿いに神社が建立されている。自動車が登場するまで大量のものを素早く運ぶには川を利用した運搬が力を発揮し、鴨川の川下では琵琶湖からの流れの合流もあることから、近畿圏の輸送に大変力を持っていたことが想像できる。神社に寄進することで船の安全が確保できるのなら安いものと、賀茂社が発展したのだろう。
国宝の本殿、権殿は非公開文化財特別公開で見ることができる。それほど多くの人が参拝に来ておらず、手持ち無沙汰の係員が暇を持て余していた。コロナ禍で密室に入る必要があるのと、特別公開の値段が上がっていることもあり、積極的に参加する人はほとんど見受けられなかった。静かな賀茂別雷神社への参拝は心穏やかにする。京都の都心にある寺社と違う空気感を味わえる絶好の期間かもしれない。