国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

国宝

本殿 春日大社

春日大社の六社寺拝観の特典は御本殿特別参拝だ。これにポストカードがついてきた。この特別参拝は以前に体験していて、回廊を歩くものである。御蓋山浮雲峰遙拝所や、万燈籠再現した藤浪之屋など、一度は見ておきたい内容である。 春日大社の御本殿特別参拝…

金銅燈籠 興福寺

興福寺国宝館の豪華な彫刻群に埋もれて見逃しがちなのが金銅燈籠だ。 入り口から真っすぐ行き、ドン付きの左側にひっそりと国宝の燈篭がある。ちょうど奥ばった目立たない隠れた位置にある。もともとは南円堂の正面に置かれていたもので、南円堂創建当初の唯…

木造天燈鬼・龍燈鬼立像 興福寺

遅くなったが、ユネスコ世界遺産登録25周年記念で発売された古都奈良の文化財を堪能できる六社寺共通拝観券をゲットした。直接購入が奈良の観光案内所と東京のアンテナショップだけで、宿泊施設などでも予約購入可能だが泊まる機会はないので奈良市内まで…

金剛般若経開題残巻 空海筆 京都国立博物館

平成館のレストラン側の出入り口から庭園へ抜けると石垣があった。平成館がゆるやかな斜面に建っていることは七条駅から正面玄関までの道中で何度も足で体感していたが、目に見える形では斜面を石垣で補正して建てられていることを初めて知った。これはこの…

真草千字文 伝智永筆

コロナ禍の影響で京博平成館のレストランが閉店していた。昨年のことだったようだ。お客が入っている時は覗くのためらっていたレストランから見える庭。閉店しているので平成館西の出入り口から見ると十三重石塔が展示されていた。京博の敷地内にはいろいろ…

華厳宗祖師絵伝 高山寺

9月のシルバーウィークの3連休。京博で開催している名品展の後期の最後に滑り込みで行くことが出来た。 すでに、3階は閉館、1階も日中書の名品を展示している2室以外は閉鎖されていた。すでに東福寺展モードの京博だが、見ておきたい国宝があった。 2階の…

【ユネスコ25周年】唐招提寺 通常拝観

春に訪れた東北歴史博物館で唐招提寺の鑑真和上坐像を見た。ユネスコ登録25周年では特別御開帳はなさそうだが、通常拝観でも唐招提寺の多数の国宝を見ることが出来る。 観ることが出来る国宝を挙げると、金堂 乾漆盧舎那仏坐像、木心乾漆薬師如来立像、木…

【ユネスコ25周年】薬師寺 白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍

ユネスコ登録25周年での薬師寺は白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍を拝観できる。ただし、玄奘三蔵院伽藍は1月15日まで。 12年の歳月をかけた大修理が完了し、今年4月に落慶法要が行われた東塔。それを祝して東塔・西塔の特別公開が行われている。今回のチケット…

【ユネスコ25周年】元興寺 通常拝観

東大寺、興福寺、春日大社と修学旅行の定番の大寺社仏閣からは少し離れたなら町に元興寺はある。こちらの世界遺産登録記念の拝観は通常と同じ。昔はなら町一帯を境内としたいそうだが、今はこじんまりとしているので、通常拝観以上の場所がない。 この拝観で…

【ユネスコ25周年】春日大社 御本殿特別参拝

春日大社の世界遺産記念チケットで拝観できるのは御本殿の特別参拝である。 本殿自体が国宝であり、普通の参拝は気軽にできる。特別参拝はその奥の回廊内に入ることができる。回廊には燈篭がぶら下げられて、歴史的な人物が奉納したものもあるらしい。また、…

【ユネスコ25周年】興福寺 国宝館

興福寺の記念チケットの拝観場所は国宝館である。 国宝指定を受けている彫刻の1割以上、17件を保有する興福寺で、国宝館には8件が収蔵されている。仏頭、十大弟子立像、八部衆立像、板彫十二神将立像、金剛力士立像、天燈鬼・龍燈鬼立像、千手観音立像、…

【ユネスコ25周年】東大寺 大仏殿

1998年12月2日に「古都奈良の文化財」がユネスコ世界遺産に登録され、今年が25周年の節目となる。それを記念して、この秋に様々な取り組みを行う。 その中で最も興味があるのが六社寺共通拝観券である。六社とは東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺…

経蔵 安国寺

安国寺の経蔵は飛騨高山にある国宝建築である。最寄り駅は、観光地の高山駅や、アニメ映画で一世を風靡した「君の名は」のロケ地である飛騨古川駅でなく、飛騨国府駅だ。国宝を観るためでなければ降り立つことはなかった。 飛騨国府駅から安国寺までの交通手…

仏殿、法堂、山門 瑞龍寺

高岡市の中心部へ戻って歩いて瑞龍寺へ行く。駅からは十数分と意外と近かった。 この寺院はシンメトリーな伽藍配置が俯瞰せずとも見て取れる。山門と仏殿、法堂が一直線に並ぶ。仏殿を真ん中から少し法堂よりに配置し、山門と法堂をつなぐ回廊で仏殿を囲む。…

本堂、大広間及び式台 勝興寺

昨年10月に文化審議会が国宝指定を文部科学大臣に答申した勝興寺へ行ってきた。富山県の国宝は瑞龍寺に続いて2件目である。 開通から8年経った北陸新幹線の新高岡駅から城端線で一駅で高岡駅に着く。そこからJR氷見線に乗り変えること十数分。最寄りとな…

徽宗文集序 高宗筆 文化庁

天皇自筆の文書を宸翰と言う。中国の皇帝自筆はなんと言うのだろう。そのような疑問を持ちつつ、南宋初代皇帝である高宗筆・徽宗文集序を眺める。 南宋の初代皇帝という肩書を見ると下剋上的な活躍があったようにも思えるが、金軍侵攻で父である徽宗をはじめ…

漢書楊雄伝第五十七 京都国立博物館

菩薩処胎経巻が東晋の竺仏念によって訳された。 それより古いことが書かれているのが漢書である。中国の歴史が詳しく(決して正しくではない)伝わっているのは歴史書を編纂し、残しているためでこの点は素晴らしい文化である。 今回の展示で出品されている…

菩薩処胎経巻第二 知恩院

日中の書の名品と題された企画展だが、すでに中国では失われてしまい日本に伝来した古写経によってのみ知ることが出来るものがある。知恩院の菩薩処胎経はすでに大陸では失われた経典で、奥書に西魏大統16年(550年)と記されていることから、伝来してきた裏…

書巻(本能寺切) 藤原行成筆 本能寺

墨書は紙に書かれるため、保管方法によってはぼろぼろになる可能性がある。崩れいく紙に対しては裏打ちなどして補修することで文化財として保管に耐えうるようにする。本能寺切はかなり傷みが激しいが補修でなんとか耐えていた。虫食い状態の文字もあるが判…

日本書紀巻第二十四(岩崎本) 京都国立博物館

日中書の名品と題して京博で開催している企画展ではあるが、中国文化を受けた写本や拓本が多く出品されている。そしてようやく日本オリジナルの内容が登場した。 日本書紀は古事記と並び、奈良時代に編纂された日本神話や古代の歴史を伝えている歴史書である…

新撰類林抄巻残巻 伝空海筆 京都国立博物館

新撰類林抄は詩人の作をテーマごとに分けた詩集である。三筆の一人、空海が書いたとして箔をつけることがあるが新撰類林抄巻もその部類で、空海の筆さばきとは違う。とはいえ、平安時代初期に写されたもので、筆跡はすべて唐様の草書体で書かれている。収録…

大般若経巻第三百四十八(長屋王経・和銅経) 太平寺

奈良時代に藤原家との戦った側の痕跡は経典に残っている。 太平寺に残る大般若経は、和銅5(712)年の記載がある経典である。この経典は長屋王(壬申の乱の勝者である天武天皇の長男・高市皇子の子)が発願した。文武天皇(天武天皇が父、息子が聖武天皇)…

六社寺共通拝観券 古都奈良の文化財

古都・奈良の文化財がユネスコ世界遺産に登録されて25周年を記念した特別拝観券の発売を22日から開始した。 奈良市内の六社寺を回れる共通拝観券で、そのメンバーがすごい。 東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺と宗派の違う大寺院たち…

千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経) 京都国立博物館

京都国立博物館の道路を挟んだ向かい側にある蓮華王院(三十三間堂)には先月行ったばかり。千体ものある千手観音だが平安時代当時のオリジナルは124体しか残っておらず、鎌倉時代に入って追加されたものが大半だそうだ。 日中書の名品で出ていた千手千眼…

浄名玄論 京都国立博物館

京都国立博物館は平成館1館での運用が続いている関係で、常設展示や企画展示が特別展のない期間にしか開くことができない。東博や九博のように別にスペースがあったり、奈良博の仏像館のように特別展に関係なく展示できるスペースがほしい。 夏真っ盛りの8…

春日権現験記絵 高階隆兼筆 宮内庁三の丸尚蔵館

リニューアル工事を進めていた三の丸尚蔵館の一部開館が11月3日に決まった。全面開館は3年後の令和8年を予定しているので、巡回展はそれまで続けばと思う。 さて、今夏の三の丸尚蔵館所蔵の巡回先は岡山。岡山県立美術館の全館を使っての展示会だったが…

東寺百合文書 京都府立京都学・歴彩館

京都文化博物館で〜室町幕府滅亡後450年〜足利将軍、戦国を駆ける!と題した企画展が開催されていたので見に行った。 室町幕府の滅亡と言われてもピンとこないのは、その後に活躍した織田信長や羽柴秀吉、そして話題の徳川家康の印象が強すぎるためと、徳川…

病草紙 痔瘻の男・毛虱

三十三間堂から智積院へ行った。となると京都国立博物館に寄らない手はない。とはいうものの、プチ京の国宝まつりとなっている「日中 書の名品」は8月8日からの開催だったので、国宝の展示は少な目。 そんな中、地獄・鬼・天狗の名品ギャラリーで病草紙が…

桜図 長谷川等伯 智積院

2023年4月4日、新しく智積院に宝物館が誕生した。これまでも寺宝を公開する蔵?はあったものの、温度・湿度管理が行き届いたものではなく、文化財保護の観点から現代的な保管機能を有した器を準備することが急務だった。 新しく出来た宝物館では開館を記念し…

千手観音坐像 蓮華王院

蓮華王院こと三十三間堂は見どころが多いため、ついご本尊の存在を忘れがちである。 本尊は千手観音坐像で、千手観音でかつ坐像の国宝は葛井寺の本尊と三十三間堂の2体だけである。葛井寺の観音様は大きさ的には150cmに満たない(座っているため)が、三…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。