国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

東寺百合文書 京都府立京都学・歴彩館

京都文化博物館で〜室町幕府滅亡後450年〜足利将軍、戦国を駆ける!と題した企画展が開催されていたので見に行った。

室町幕府の滅亡と言われてもピンとこないのは、その後に活躍した織田信長羽柴秀吉、そして話題の徳川家康の印象が強すぎるためと、徳川幕府のようにきっちりと地位を返上した(征夷大将軍は1588年まで務める)というより京都を追い出されただけという捉え方もできるためだろう。

この展示会では関連の人物画に加えて、目玉が東寺に残っていた大量の文書の中から、足利将軍に関わる書状をピックアップして展示。前後期で総入替となる計24通を公開していた。

これだけの公の書類が残っているということは、寺が公証人役場的な役割を果たしていた。必然的に情報が集まり、黒衣の宰相として外交面で活躍する僧侶が現れたのも納得である。

さて、展示していた書は書状、評定、禁制、連署奉書など様々。茶道具の掛け軸にする書と違いテーマがあって収集したものではなく、あくまでも保管を目的に提出された公的な書類となる。なので、それ単体では面白みに欠ける。今回のようにテーマを絞って展示すると興味がわく内容となる。岡崎で見たどうする家康展のように、花押で見ていくというのも面白かった。東寺百合文書は大量にある文書なので、すべてを見せる機会はないだろうが、京都文化博物館でテーマごとに展示を企画しているので、足を伸ばした時には訪れたい。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。