9月のシルバーウィークの3連休。京博で開催している名品展の後期の最後に滑り込みで行くことが出来た。
すでに、3階は閉館、1階も日中書の名品を展示している2室以外は閉鎖されていた。すでに東福寺展モードの京博だが、見ておきたい国宝があった。
2階の奥、一つだけ外れにある部屋では異国の仏教説話と題して絵巻物の展示を行っていた。展示は贅沢にも1ケースに1点の絵巻物となっていた。羅什三蔵絵伝と真如堂縁起の重要文化財2作品と、高山寺の華厳宗祖師絵伝が並んでいた。差し詰め東博で開催されるやまと絵展の露払い的な展示に思えた。
ただ、絵画として見た場合、どれも少し見劣りする出来栄えに思えた。MAOミュージアムで見た江戸時代の作家・岩佐又兵衛の浄瑠璃物語絵巻を春先に見てしまったがため、目が肥えてしまった。あくまでも3作品は歴史的価値が高いことは分かっているものの、絵巻物のハードルを上げて見てしまう。
華厳宗祖師絵伝は絵のみで伝えるストロングスタイルの絵巻物。見どころは最後の方の龍の絵。単体で大きく力強く描かれている場面はさすがと思った。だが、すぐ後に船を曳くシーンに移る。物語上は必要な場面ではあるが、迫力ある龍が船をけん引するため従うまでにもう1場面ほしかった。