1998年12月2日に「古都奈良の文化財」がユネスコ世界遺産に登録され、今年が25周年の節目となる。それを記念して、この秋に様々な取り組みを行う。
その中で最も興味があるのが六社寺共通拝観券である。六社とは東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺となる。拝観券の内容は一般的な観覧ではあるものの、このチケットだけで両手で数えきれないぐらいの国宝を観ることが出来る。見に行く前に、少し情報を整理するメモ的にピックアップしていく。
まずは東大寺。
チケットでは大仏殿が拝観できる。大仏殿はご存知の大仏(廬舎那仏)が祀られている建物だ。大仏と大仏殿が国宝となっている。見逃しそうになるのが、大仏殿の正面に建つ八角燈籠。附属物ではなく単独の国宝である。
チケットいらずで見ることが出来る国宝は南大門とそこを護る仁王像。大仏とともに、東大寺のスーパースター。大きさといい力強さの表現といい国宝に最高峰の彫刻である。
この秋、東大寺に行くのならば10月以降がおすすめ。まずは3年近く修繕工事をしていた戒壇堂が10月1日から再オープンする。そこを護る国宝の四天王立像も元の位置にお戻りになる。
そして、今年が東大寺を開山した良弁僧正1250年御遠忌にあたり記念イベントが開かれる。ともに法華堂で10月1日〜10月16日が年に1回しか御開帳されない執金剛神立像がこの期間に特別開扉される。長期間の御開帳はなかなかないので、見たことがない場合は合わせて行きたい。そして、今回だけのスペシャルイベントが、10月28日〜11月19日に行われるこちらも開山堂で年に1回公開される良弁僧正坐像が法華堂へ出張開帳される。おそらく法華堂で祈りを捧げるように置かれると思うので、開山堂では絶対に見ることができない背後をじっくりみることができるかもしれない。