国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

本堂、大広間及び式台 勝興寺

昨年10月に文化審議会が国宝指定を文部科学大臣に答申した勝興寺へ行ってきた。富山県の国宝は瑞龍寺に続いて2件目である。

開通から8年経った北陸新幹線新高岡駅から城端線で一駅で高岡駅に着く。そこからJR氷見線に乗り変えること十数分。最寄りとなる伏木駅へ降り立った。夏の暑い盛りであったこともあり、人はかなり少ない。同じ時間に駅へ降り立った家族連れは、暑さのため子供たちが反旗を翻して駅舎を出ないぐらいだった。(その家族連れとはそのまま折り返してきた同じ電車に乗って高岡へ戻ることとなった)

伏木駅門前町とあって駅舎の中から勝興寺が国宝となったことを祝した掲示が目に入る。勝興寺が大きなローソクも有名なようだが、それが霞むぐらい国宝一色だった。駅から寺までは少し上り坂で、その道中にも国宝の文字があちらこちらに掲示されていた。

越中は戦国時代、一向一揆が盛んに起こった地域である。浄土真宗の信者である門徒たちが団結して守護大名を打つまでに拡大した。その中心的な寺院のひとつが勝興寺である。その勝興寺は1581年に焼き討ちに合った。1584年には越中を平定した佐々成政が古国府城の土地を勝興寺へ寄進して現在地に落ち着くこととなった。もともと城跡に建って関係で周りに堀があり城跡の名残が見て取れる。

門前が駐車場となっていてが、暑さのためほぼ開店休業状態。立派な門を入ると堀と塀に囲まれたものが現れる。受付で参拝料を納めていざ中へ。堀と塀だけ見ると城跡感があったが、一遍に払しょくしたのは唐門から正面すぐに見える本堂だ。

この本堂は浄土真宗らしく、内陣は金ぴかにデコっている。東西本願寺専修寺などの国宝建築同様、煌びやかに阿弥陀様を祀っている。参拝者のための外陣は装飾はない。全国の国宝・重要文化財の寺院の中で、大きさは9番目と巨大な本堂となっている。

本堂の他にも隣にある大広間及び式台が国宝の指定を受けていて、ここも見学できる。ここでは展示物が置かれているので、解説を含めて勉強になった。総本山でない末寺院なので、境内はそれほど広くはないが、越中一向宗の自力が見て取れる国宝であった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。