国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2023-01-01から1年間の記事一覧

【やまと絵】観楓図屏風 狩野秀頼筆 東京国立博物館

やまと絵展では受け継がれる王朝の美と副題がついている。武士政権の王位(厳密に言うと征夷大将軍職)が変遷するなかで、鎌倉期のマッチョな彫刻や室町期の水墨画など流行は変われど、王道絵画はやまと絵であった。戦国時代の下剋上では王道への憧れから、…

【やまと絵】平治物語絵巻 六波羅行幸巻 東京国立博物館

東博の平成館での特別展の場合、第一展示場と第二展示場の間(1階入り口から上がった2階のちょうど反対側)がグッツ売り場となる。いつも気になって見るのだが、出来の良いぬいぐるみが結構出ていた。人気キャラクターとのコラボぬいぐるみもあったが、や…

【やまと絵】伴大納言絵巻 出光美術館

大陸から伝わったとされる絵画技法。高松塚古墳などに見られる型は明らかにそれと分かる描きようである。それが、宗教儀式として現地へ行けない代わりに屏風へにしたり、聖徳太子絵伝のように国内で発生した事象を絵にすることでオリジナルな描き方へと変化…

【やまと絵】山水屛風 神護寺・京博

早いもので東博150周年展から1年が経った。周年記念展示会で気合いの入った内容だっただけに、翌年の秋展の企画者はプレッシャーがかかったことだろう。そんな素人考えが杞憂に終わる企画がやまと絵展だ。全国各地のやまと絵の一級品が東博に集合したと言っ…

禅院額字幷牌字 東福寺

東博の展示会場では大人気だった通天橋から臨む紅葉の風景。手前に欄干を設けて橋にいるように撮影できるディスプレイになっていた。ただ、ここは京博。しかも秋開催。本物を見に行くことが気軽にできる。写真も良いが実物が一番だ。ただ、ピーク時にはすご…

義楚六帖 東福寺

東福寺展で展示していた仏手は写真OKで映える展示物だった。これは今は無き京都大仏の遺物で、東福寺内に安置しているが普段は非公開のものである。金箔がだいぶ残っていることから、奈良の大仏同様、出来た当時はキンキラキンだったことが想像できる。なお…

太平御覧 東福寺

東福寺展では1階の出入り口付近の展示物のみ撮影が許されていた。写真の右側の蓮弁はいまは失われている京都の大仏が乗っていた台座の装飾物。左は釈迦如来で一般的な寺院にある大きさの仏像である。対比すると蓮弁がかなり巨大であることが分かる。蓮弁は…

無準師範像 自賛 東福寺

東博の春の特別展だった東福寺展がこの秋に巡回展として京博で開催されている。東福寺は京都・東山の南にあり、京博の最寄り駅・京阪の七条駅から南へ一駅と非常に近い臨済宗の大本山である。境内はそこそこ広く、国宝の三門は時代劇でも背景に使われるぐら…

御影堂 知恩院

来年開催の展示会発表で浄土宗開宗記念の展示会の発表があった。いずれも国立博物館で春が東京、秋が京都、年が明けて再来年に九州で開催される(天台宗の展示会と同じ規模)。今年の前半にたくさん展示会で見た親鸞の師匠であたる法然上人が起こした宗派な…

【やまと絵】平治物語絵巻 六波羅行幸巻 東京国立博物館

昨年開催された東博150周年・国宝展でも、もちろん出品されていた平治物語絵巻が再び登場。前回は東京都美術館で開催されたボストン美術館展で来日していた三条殿夜討巻とのリレー展示(勝手に言ってます)であった。 kokuhou.hatenablog.com 今回は静嘉堂文…

【やまと絵】信貴山縁起絵巻 朝護孫子寺

四大絵巻で源氏物語、鳥獣戯画は知名度と人気度が抜群で選ばれて当然。伴大納言絵巻も当時の世相が良く分かる絵巻物となっている。そして四大に列されている信貴山縁起はと言うと馴染みが薄い。まずもって信貴山がある関西でも朝護孫子寺と言われてもはてな…

【やまと絵】伴大納言絵巻 出光美術館

やまと絵展で一番見たい作品は伴大納言絵巻である。国宝に興味を持って出光美術館での展示を心待ちにしていたが、東博へ貸し出し出展が先になった。今回はⅠ期のみの展示で期間が短い。四大絵巻が揃うのは伴大納言絵巻が出ている時だけとなる。 レア★★★ 観た…

【やまと絵】鳥獣戯画 高山寺

展示ショーケース前に動く歩道を導入した伝説の特別展、国宝鳥獣戯画のすべてから2年が過ぎた。当初開催予定だった2020年7月からだと3年の月日が経った。コロナに振り回された展示会で、行くことが叶わなった。 やまと絵展で鳥獣戯画は4巻一度に見る機会…

【やまと絵】源氏物語絵巻 徳川美術館・五島美術館

東京国立博物館では10月11日~12月3日まで、やまと絵 -受け継がれる王朝の美-と題した特別展示会を開催する。 奈良時代が遣隋使や遣唐使によってもたらされた大陸文化の受容期だったのに対して、平安時代には大陸への派遣を辞め内向きな文化の醸成…

古事記 宝生院

公立の美術館や博物館のリニューアルが続いている。横浜みなみみらいにある横浜美術館は2021年から始まり来年再開予定。大阪市立東洋陶磁美術館は22年2月から始まり、こちらも来年春再開予定。天王寺にある大阪市立美術館も昨年からリニューアル工事に入っ…

本殿 春日大社

春日大社の六社寺拝観の特典は御本殿特別参拝だ。これにポストカードがついてきた。この特別参拝は以前に体験していて、回廊を歩くものである。御蓋山浮雲峰遙拝所や、万燈籠再現した藤浪之屋など、一度は見ておきたい内容である。 春日大社の御本殿特別参拝…

金銅燈籠 興福寺

興福寺国宝館の豪華な彫刻群に埋もれて見逃しがちなのが金銅燈籠だ。 入り口から真っすぐ行き、ドン付きの左側にひっそりと国宝の燈篭がある。ちょうど奥ばった目立たない隠れた位置にある。もともとは南円堂の正面に置かれていたもので、南円堂創建当初の唯…

木造天燈鬼・龍燈鬼立像 興福寺

遅くなったが、ユネスコ世界遺産登録25周年記念で発売された古都奈良の文化財を堪能できる六社寺共通拝観券をゲットした。直接購入が奈良の観光案内所と東京のアンテナショップだけで、宿泊施設などでも予約購入可能だが泊まる機会はないので奈良市内まで…

金剛般若経開題残巻 空海筆 京都国立博物館

平成館のレストラン側の出入り口から庭園へ抜けると石垣があった。平成館がゆるやかな斜面に建っていることは七条駅から正面玄関までの道中で何度も足で体感していたが、目に見える形では斜面を石垣で補正して建てられていることを初めて知った。これはこの…

真草千字文 伝智永筆

コロナ禍の影響で京博平成館のレストランが閉店していた。昨年のことだったようだ。お客が入っている時は覗くのためらっていたレストランから見える庭。閉店しているので平成館西の出入り口から見ると十三重石塔が展示されていた。京博の敷地内にはいろいろ…

華厳宗祖師絵伝 高山寺

9月のシルバーウィークの3連休。京博で開催している名品展の後期の最後に滑り込みで行くことが出来た。 すでに、3階は閉館、1階も日中書の名品を展示している2室以外は閉鎖されていた。すでに東福寺展モードの京博だが、見ておきたい国宝があった。 2階の…

【ユネスコ25周年】唐招提寺 通常拝観

春に訪れた東北歴史博物館で唐招提寺の鑑真和上坐像を見た。ユネスコ登録25周年では特別御開帳はなさそうだが、通常拝観でも唐招提寺の多数の国宝を見ることが出来る。 観ることが出来る国宝を挙げると、金堂 乾漆盧舎那仏坐像、木心乾漆薬師如来立像、木…

【ユネスコ25周年】薬師寺 白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍

ユネスコ登録25周年での薬師寺は白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍を拝観できる。ただし、玄奘三蔵院伽藍は1月15日まで。 12年の歳月をかけた大修理が完了し、今年4月に落慶法要が行われた東塔。それを祝して東塔・西塔の特別公開が行われている。今回のチケット…

【ユネスコ25周年】元興寺 通常拝観

東大寺、興福寺、春日大社と修学旅行の定番の大寺社仏閣からは少し離れたなら町に元興寺はある。こちらの世界遺産登録記念の拝観は通常と同じ。昔はなら町一帯を境内としたいそうだが、今はこじんまりとしているので、通常拝観以上の場所がない。 この拝観で…

【ユネスコ25周年】春日大社 御本殿特別参拝

春日大社の世界遺産記念チケットで拝観できるのは御本殿の特別参拝である。 本殿自体が国宝であり、普通の参拝は気軽にできる。特別参拝はその奥の回廊内に入ることができる。回廊には燈篭がぶら下げられて、歴史的な人物が奉納したものもあるらしい。また、…

【ユネスコ25周年】興福寺 国宝館

興福寺の記念チケットの拝観場所は国宝館である。 国宝指定を受けている彫刻の1割以上、17件を保有する興福寺で、国宝館には8件が収蔵されている。仏頭、十大弟子立像、八部衆立像、板彫十二神将立像、金剛力士立像、天燈鬼・龍燈鬼立像、千手観音立像、…

【ユネスコ25周年】東大寺 大仏殿

1998年12月2日に「古都奈良の文化財」がユネスコ世界遺産に登録され、今年が25周年の節目となる。それを記念して、この秋に様々な取り組みを行う。 その中で最も興味があるのが六社寺共通拝観券である。六社とは東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺…

経蔵 安国寺

安国寺の経蔵は飛騨高山にある国宝建築である。最寄り駅は、観光地の高山駅や、アニメ映画で一世を風靡した「君の名は」のロケ地である飛騨古川駅でなく、飛騨国府駅だ。国宝を観るためでなければ降り立つことはなかった。 飛騨国府駅から安国寺までの交通手…

仏殿、法堂、山門 瑞龍寺

高岡市の中心部へ戻って歩いて瑞龍寺へ行く。駅からは十数分と意外と近かった。 この寺院はシンメトリーな伽藍配置が俯瞰せずとも見て取れる。山門と仏殿、法堂が一直線に並ぶ。仏殿を真ん中から少し法堂よりに配置し、山門と法堂をつなぐ回廊で仏殿を囲む。…

本堂、大広間及び式台 勝興寺

昨年10月に文化審議会が国宝指定を文部科学大臣に答申した勝興寺へ行ってきた。富山県の国宝は瑞龍寺に続いて2件目である。 開通から8年経った北陸新幹線の新高岡駅から城端線で一駅で高岡駅に着く。そこからJR氷見線に乗り変えること十数分。最寄りとな…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。