国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

無準師範像 自賛 東福寺

東博の春の特別展だった東福寺展がこの秋に巡回展として京博で開催されている。東福寺は京都・東山の南にあり、京博の最寄り駅・京阪の七条駅から南へ一駅と非常に近い臨済宗大本山である。境内はそこそこ広く、国宝の三門は時代劇でも背景に使われるぐらい立派な門である。この国宝の三門は東福寺展を記念して、11月11日(土)から12月3日(日)まで特別公開される。また、東福寺と言えば通天橋から見る紅葉の景色で、11月中旬頃には観光客でごった返す。

秋の特別公開や紅葉にはまだ早いためか、開催して間もなくの東福寺展は客はそこそこの入りでゆったりと見ることが出来た。いつも通り3階から降りていく方式。まずは東福寺を開山した円爾こと聖一国師肖像画の展示。そして、その師匠である無準師範の肖像画が展示される。

無準師範は南宋時代の禅僧で、中国五山の第一にあたる径山万寿寺の第34世の住職である。多くの弟子(兀庵普寧や無学祖元など)を育て、日本からの僧(円爾など)も受け入れた。日本の臨済宗に大きな影響を与えた人物で、与円爾尺牘と与円爾印可状は国宝になっている。そんな師匠の肖像画だけでもありがたいが、それに自ら賛を書いている。日本に帰国しても師を思う一番のプレゼントとなったことだろう。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。