油滴天目について観たことを書く予定はなかったが、気になったことがあった。
曜変天目に大興奮していたⅡ期。京博でも展示に力を入れて工夫していた。とくに曜変の輝きを自然に近い状態で見てもらうため、照明を自然光に近いものを真上から特別に設えて展示していた。(日曜美術館で紹介していた)
その照明をそのままに油滴天目も展示していた。そもそも油滴は漆黒の器の表面に無数の滴が散らばった文様があり、その文様の美しさがよさとなっている。曜変と違い文様は白く、輝きが変化する特徴はそれほどない。しかし、今回の照明下では器の底のほうの斑点は青白く輝いていた。油滴天目は何度か見ているが、これほどの輝きはなかった。
つまり、照明による演出で大きく変化していることになる。自然光に近い照明(同じ条件)で、曜変天目の残り2つも見てみたくなった。おそらくはこれまで見た輝きと全く違うものになるだろう。