国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

曜変天目茶碗 (稲葉天目) 静嘉堂

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国宝の中でも出るだけで目玉展示となるものが何点かある。たとえば金印はあの小ささなのに、拡大した図柄がパンフレットに必ず載る。興福寺の阿修羅像も人気が高まり出展されればメインをはる。そして、今回も展示会のメインを勤めることになったのは曜変天目だ。静嘉堂文庫移転前最後の展示会でもメインビジュアルのひとつとなっていたが、今展示会でもセンターポジションをゲットしていた。

センターをはるだけあって、展示も天目茶碗1点だけで1室を使用。照明は上からの照明を利用したオリジナルのものを利用し、展示ガラスは三菱グループの総力を結集した最新ガラスを使用していた。曜変天目を長年展示し続け、向き合ってきた経験からの反射の少ない使用量にしていた。また、ほかの展示物がないので集中して見とれることができた。

しかし、曜変天目の光の変化を楽しむには光量が多かった。青色の輝きが単調となっていたのは残念だった。碗をじっくり楽しむには最適なのだが、太陽光とは言わないまでも変化があれば曜変部分の表情を表れるので、多角度で緩い光にしてほしかった。静嘉堂が丸の内近くに移転するので、その時には工夫した常設展示にしてほしい。

 

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。