美術品において運命的なつがいは石川県立美術館で観ることができる。。
野々村仁清の色絵雉香炉は雄雌が一対となって展示されている。展示の仕方もあるのだろうが、一目見て雉なのにおしどり夫婦とはこのことだと直感してしまう。それが何度も訪れて同じ思いに駆られる。
国宝の雄が力強く正面を見通す一方で、重文の雌は安心しきって毛繕いをする。日常の一風景を焼き物の動作に凝縮し、立体空間まで支配する力強い作品である。これがいつ行っても常設でみることができるのは贅沢。この他、時期によっては前田家の秘蔵の国宝が陳列される。