国宝指定を受けている陶器は14点しかない。そのうちの2点を所有・公開しているのが大阪市立東洋陶磁美術館である。
美術館は大阪市の中心・中之島にあり、陶器専門に展示を行っている。コレクションの原点は戦前から続く総合商社の安宅産業コレクション。事業の多角化とオイルショックにより破綻した安宅産業のコレクションの一部を、住友グループが大阪市に寄付金を提供して買い上げてできたのが東洋陶磁美術館である。
寄付金の総額は152億円で、約1000点の東洋の陶器を入手できた。その中に含まれていたのが国宝の油滴天目と青磁だ。国宝は常設ではないものの、公開頻度はかなり多い。また、陶器ということもあり、同館所有のものは写真撮影がOKの場合があるというのも魅力。
向かいにある大阪市中央公会堂は東京駅と同じ辰野金吾の作品で重要文化財となっている。また、公会堂の裏にある大阪府立中之島図書館も重要文化財。橋を南へ渡った北浜や高麗橋などにも西洋建築が残っており、高層ビルに囲まれた都心部に残る名建築美術館にもなっている。