国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

両界曼荼羅 子嶋寺

冬の奈良大和路キャンペーンで1月に続き、2月もならまちの普段は入れない寺院を公開していた。京都に比べて宣伝が下手な奈良だけあって、それ程多くの人は来ていなかった。十輪院に近い興善寺と金躰寺の涅槃図公開に合わせて行ったが、見ると作画がほぼ一緒だった。ご近所なので作者からの売り込みがあった時期が同じだったのかもしれない。

ならまちの寺院公開にせっかく来たのだから、奈良博も訪れない訳にはいかない。毎年恒例のお水取り企画では重要文化財クラスの展示はあったが国宝はなし。同じようにこの時期に開催することが多い珠玉の仏教美術の展示では仏教美術の殿堂たる奈良博の名品が出ていた。

なかでも子嶋寺の両界曼荼羅は紺紙に金泥で描かれいるため、光り輝いて見えた。そして目を見張るのが、大きさで3メートル50センチと大迫力の大きさで作られている。平安時代一条天皇から子嶋寺中興の祖とされる真興が賜ったもので、芸術度・迫力・来歴のどれもが一級品。なかなかお目に出来ない(大きいので展示するのも一苦労)代物なので、ありがたく観させて頂いた。あと、昔のように照明を落として、ロウソクの火の中で観ることが出来れば、もっと幻想的になるので、そういう企画(本物では不可能なので模倣品でも可)があれば、ぜひ参加した。

 

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。