国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

後七日御修法

真言宗で最も重要な儀式のひとつである後七日御修法は教王護国寺(東寺)の灌頂院にて1月8日~14日まで行われる。鎌倉以降に拡大した仏教宗派が個人の帰依(ミクロ的な大衆仏教)に対する教えを説くのに対して、真言宗は(マクロ的な)国全体を護るために祈りを捧げる。なので、後七日御修法では玉体安穏・ 鎮護国家 ・ 五穀豊穣 ・万民豊楽を祈る法会となっている。

後七日御修法は真言宗の開祖である空海の進言から835年に始まり、宮中で行われる行事となった。南北朝応仁の乱の動乱などで一時期中断されたが、江戸時代に復活。明治維新で宮中での仏事を全面中止したが、政府内でも反発があったようで宮中ではなく東寺で行う形となった。そのため、この行事には天皇陛下の代理である勅使が初日、中日、最終日に宮内庁から派遣される。最終日に法要を終えて勅使が去った後(12時半過ぎ)、残り福?の御利益を求める一般人に開放される。時間は小一時間で、灌頂院前の列に並んだ人のみが入ることができる。

なお、法会を開催する建物内部では国宝が出品されている訳ではない。しかし、国宝になる由来にあたり、かつては使われていた儀式である。そのため、一度見てみたかった。

2019年の春に開催された東寺展では後七日御修法の建物内部の配置を再現していた。両界曼荼羅が対面する間に五大尊像(国宝は期間中1点ずつ入れ替え)が掲げられ、その外側に十二天像(東寺のものではなく京博の国宝)が並べられていた。さすがに国宝の曼荼羅図はショーケースなしでは展示できないようで、別の場所での展示であったが雰囲気だけは味わうことが出来た。翌年2020年の御修法はタイミングが合わず、次年の訪問と考えていたらコロナがまん延し、今年が4年ぶりの一般公開であった。行けるうちに行こうと考えて訪れた。

内部はこの儀式専用と思われるぐらい、曼荼羅図や五大尊像が掲げられるスペースとぴったり合っていた。掲げれているものはもちろん国宝のものではなく、色あせのない実に綺麗なものであった。特に切金細工が室内で照らす照明に綺麗に反射してキラキラと眩さを演出していた。2024年の春には奈良博で神護寺曼荼羅修復を記念した展示会がある。東寺の曼荼羅図も出品されるようなので、灌頂院に掲げて法要をするイメージをもって見に行きたい。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。