ゴールデンウィークに登った神護寺。曝涼展はなく、寺宝の数々には会えず仕舞いだった。それに代わってではないが、奈良博の大安寺展のラスト2週間だけ、釈迦如来像(通称は赤釈迦)が展示された。
大安寺は高野山真言宗に所属する。南都七大寺に列せられていた寺院だが、平安仏教の系列に属する。なぜ、真言宗かといえば、829年には空海が大安寺の別当に補された縁があるからだ。
その空海の縁から、神護寺の寺宝・釈迦如来像が展示されている。縦が160cmと大きな仏画で、平安後期の作品である。末法思想や密教が主流になっていた時代に作られた傑作で、奈良時代に隆盛を極めていた大安寺にふさわしいラインナップである。