興福寺には国宝の四天王立像が4組(16体!?)も存在している。東金堂内にあるのが平安初期の作品。中金堂にある四天王立像が2017年まで南円堂にあったもの。南円堂のものは仮金堂にあったものがスライドして置かれている。この3組はすべて木造である。
北円堂の四天王立像は平安初期のもので、木心乾漆の方法で作られている。本来は大安寺にあったものだそうで、791年に造立された。堂内にある仏像の中で最も古い部類になる。かなり動きが派手な作りである。慶派好みのダイナミックな構えは、他の新入り仏像たちに負けず劣らずのポーズとなっている。
色々な仏像が興福寺にあったはずだが平家による南都焼き討ちなどにより失われた。その前にあたる平安や奈良時代の彫刻は持ち出せる重さの乾漆が残り、十大弟子や八部衆とともに国宝となっている。お堂で勤めを行っている四天王立像はいつでも会えるわけではないので、久方ぶりにじっくり見ることが出来て大満足だった。