海龍王寺からすぐ近くにある法華寺門跡でも秋の特別公開が行われたいた。本堂の十一面観音菩薩立像は少し変わった特徴がある。仏さまの像の背後には後光が差すような演出の光背が据え付けられることがある。法華寺の本尊は蓮のつぼみや葉を後光のように配した珍しい光背となっている。つまりの仏さまの威光の象徴としてではなく、生命をはぐくむ指向として象徴となっている。国分尼寺の総本山の象徴となる本尊である。
ところで、国分寺の総本山は東大寺で、あれだけの巨大な仏像を造っている。にも関わらず、国分尼寺はというと1メートルぐらいの仏像が本尊である。唐招提寺や薬師寺など巨大仏像ブームの時代にに関わらず小さいような気がする。光明皇后の父親である藤原不比等の邸宅跡に建てたこともあり、天皇家へ遠慮したのかもしれない。この配慮が藤原家の繁栄につながったのだろう。