国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

千体千手観音立像 蓮華王院

唯一無二の言葉がふさわしいのが千体千手観音立像だ。人の大きさぐらいの千手観音立像がずらりと約千体(寄託されているものが一部あるよう)並ぶ。一体でも地方の寺なら本尊クラスとなるところ、千体となると圧巻としか言いようがない。本堂の構造はこの千体観音を並べるため横長の作りとなっている。この長さが三十三間あるということから、通称の三十三間堂となった。まさに千体観音立像のためのお堂である。

中国の兵馬俑でもそうだが、表情は個体ごとに違いがある。それを楽しみながら見ていると1日では到底見ることは出来ない。その中でピックアップしている訳ではないが、足元に作者名が掛かれている観音様がある。お堂再建を統括した湛慶のものが複数あった。もっとも印象に残ったのが中央の本尊・千手観音坐像を正面に見て右の下に位置していた運慶作の観音様だ。この観音様は顔が他のものに比べて少し小顔に作られている。統一感を出すために基準があったのだろうが、運慶に対して強く指導できなかったのかもしれない。修繕を終えて日が浅い内に黄金の輝くを見られてよかった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。