東博で開催される新指定の国宝・重要文化財展がゴールデンウィークを挟んだ日程での開催に戻った。コロナ禍で博物館全体の休館や、ソーシャルディスタンスの強要、混雑回避など様々な制約があったことから、開催時期が不安定だったが、ようやく元に戻った。
開催場所は本館の特別室と彫刻の展示スペースで、まずは1階の彫刻の部屋にて大報恩寺の仏像たちとご対面する。国宝指定を受けた彫刻は木造六観音菩薩像6軀と木造地蔵菩薩立像、それと像内納入経。さすがに京都からすべてを運ぶわけにいかなかったようで、地蔵菩薩と准胝観音の2軀が上京してきた。
2018年に東博で開催された大報恩寺展や大報恩寺の宝物館でも見ているはずだが、大きく実感した。実際は170cmから180cmぐらいの大きさの仏像が台座に乗っているだけなのだが、東博の展示が周りに比較物がない展示と照明の妙がそうさせたかもしれない。2018年の特別展では光背がある前期と外した後期という面白い試みがあったが、新指定展ではともに光背ありでの展示であった。