国宝建築物で西の聖地が法隆寺なら東の聖地は日光である。徳川家康を祀るため、おじいちゃん大好きの家光が総力を挙げて作り上げた芸術の城である。
東照宮は家康を祀る建物で、
・東照宮本殿・石の間・拝殿
・東照宮正面唐門・背面唐門
・東照宮東西透塀
・東照宮陽明門
・東照宮東西廻廊
と5件が国宝指定を受けている。
そのどれもに中国の故事にちなんだ芸術的な彫り物が施されている。平面に書かれた絵と違い人物、動植物どれをとっても立体感をうまく活かしており、角度を変えると見え方が違ってくるので、見ていて飽きることがない。亡き家康公を楽しませるため、手間暇をかけたことが覗える。
ほかにも厩にある「見猿聞か猿言わ猿」や奥の院に続く入口に彫られた左甚五郎作の猫などは必見である。ただし、これらの動物は国宝ではない。
最近、本殿などの国宝建築物は補修工事を終えたばかり。輝く程の白地に金箔がよく映える。建物なので屋外展示が当たり前だが、姫路城もだんだんと当初の白さが失われているので、くすむ前に見ておきたい。室内には狩野探幽の麒麟の絵があり、江戸時代初期の最高技術を集めた出来栄えだったのは想像に難くない。ここが権現信仰の中心であることを誇示する最高の出来栄えは今しか見ることができない。