国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

豊楽寺 薬師堂

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三密は仏教用語密教の三業の総称で、手に印を結ぶ身密、口に真言を唱える口密、心に本尊を観念する意密からなる。護摩を焚いて疫病退散を願うのならば三密をもって祈念しなければならない。一方で、現代の三密はというと、密室、密集、密接を避けること。ならば四国の真ん中にある国宝建築は打って付けの場所となっている。

豊楽寺は高知県でも東の端、かずら橋で有名な大歩危小歩危につながる道の脇へ入った山奥にある。もともと幹線道路も山並みを望み人の気配はないが、豊楽寺のある山道はぽつんと一軒家で出ても来てもおかしくない山中への一本道となっている。

山頂に近づくとバス停とともに駐車場が現れる。そこの正面には新しく建てたであろう社務所がある。それを横目に見つつ少し奥に入ると眼下に薬師堂のかやぶき屋根が現れる。山肌を背にして薬師堂が建っているので、正面へは階段を降りなければならない。入母屋造りの屋根を堪能するにはベストな寺院で、国宝建築で一番最初に屋根が現れるところはここぐらいかもしれない。

豊楽寺薬師堂は1151年に建立された四国で一番古い建築物である。寺いわく三大薬師堂の一つで、ほかは愛知の鳳来寺、福島の常福寺だ。知名度・立地を含めてコンプリートした人はどれくらいいるのだろうか。

さて、中に入ることはできなかったが、お堂を正面から観ると山を削って建てているためか周りからの圧迫感がある。歴史ある寺だが、もともと人里離れた場所にあって、山を登った先にあるので三密になるはずもなく、密教的な三密をもって願掛けを行った。国宝巡りは地方巡礼なら人との距離を取りやすく(そもそも豊楽寺では人と会わなかった)、未見の国宝を中心に回っていきたい。

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。