上野に来たら、東博詣では外せない。10月に東博150周年展を控えているので、東博所蔵の国宝の展示はなかったが、寄託品の名品たちがお目見えしていた。
この夏は奈良博で當麻曼荼羅展が開催され、当麻寺関連の国宝を観ることが出来た。現地では東塔と西塔の公開もあり、当麻寺イヤーとなったが、締めを飾る国宝が東博で公開されていた。
倶利迦羅龍蒔絵経箱は当麻寺奥院所蔵で、奥之院の宝物庫にはレプリカが展示されていた。本物は東博に寄託されているようで、今回は蓋を開けた形で展示してあった。経箱の蓋の中央には剣に巻き付く龍が炎を纏った姿が描かれている。その両端には、制多迦童子と矜羯羅童子を配置することで不動明王を連想させる仕掛けとなっている。それ以外の細工はあるものの、主役を引き立てる出来となっている。