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【下阪本の社寺】六道絵 聖衆来迎寺

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NHK大河もいよいよ佳境。普通のドラマならば明智光秀の最後が気になるが、大河は史実を元に描いているので本能寺の変があり、羽柴秀吉に討伐される筋書き。大往生場面は麒麟が去る場面で終わるのだろう。

さて、大河の主役であるに光秀に縁がある大津・下坂本の寺院の秘宝を集めた展示会が大津市歴史博物館で開催されている。目玉は聖衆来迎寺の六道絵・全15幅が一度に揃って展示される。滋賀での全点展示は36年ぶりで、3年前の奈良博での源信展に全幅展示があって以来の快挙である。

六道絵は東博、奈良博、京博などバラバラに寄託されている関係、どこかしらで展示されることがある。反面、一堂に集まることは少なく、ましてや寄託館以外は珍しい。今回は比叡山焼き討ちに対して疑問を呈していた明智光秀展でかつ、坂本城城主として領民慕われていたこともあり、貸し出しが実現した。

前回に全幅を見た奈良博は天井が高く、見上げるようなイメージで見た。なので、阿鼻叫喚を表現した掛け軸に恐怖心を覚えた。また、昨年の8月16日に行った聖衆来迎寺の曝涼展では複製全幅が外陣が掲げられていた。こちらは正面から近くへ寄って見ることができたためか、絵の中に入り込む気持ちになった。

今回の大津市歴博での展示は2階の特別展示室の最後の部屋に展示していた。ガラス越しではあるがかなり近くで見ることができたが、奈良博や寺に比べて天井が高くない分、絵画を鑑賞している気持ちになり、それぞれ細かな部分の残酷さの表現を堪能できた。天井の高低で宗教画か絵画かの認識を違えいるとは想像もしていなかった発見である。

出口には六道絵を解説したフルカラーの冊子が自由にもらうことができた。この冊子は、各六道絵に書かれた解説そのままで、資料的にも大変よくできたので、これをゲットしただけでも入場料の元は取れた。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。