国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

五重塔初層内陣扉絵 海住山寺

南山城地域には古刹が多く、古い仏像が残っている。

浄瑠璃寺岩船寺以外にも国宝の十一面観音立像が本尊の観音寺や、同じく国宝の釈迦如来坐像が本尊の蟹満寺など、仏像好きにはたまらない地域である。恭仁京跡がある加茂駅周辺も見どころが充実している。無住職である現光寺はかっこ良い仏像を所有していて、秘仏の十一面観音坐像は慶派作品として傑作と思える出来栄えである。その他の脇侍たちも含めて地域住民の力で守ってきたが、さすがに文化財としてきっちりと保管する施設を作る資金力はなく、奈良博の寄託となっているものが多い。

この現光寺を管轄しているのが海住山寺で現光寺からは少し離れた山の中腹にある寺だ。ちょうど恭仁京跡を含む加茂を見下ろせる位置にある。この回の展示会にも寺宝の数々を出品。PRの看板にも使われている四天王像も所蔵物で彩色がかなり鮮やかに残っている。浄瑠璃寺がかつて保有していた十二神将を見た後だったので迫力は感じなかったが、昔の人が鮮やかな色使いで仏像をペイントしていたと想像すると仏教そのもののイメージも変わってくる。海住山寺の国宝は五重塔で、さすがに奈良博へ持ってくることはできない。なので、扁額と初層内陣の扉絵が出ていた。扉絵はかなり劣化していて、識別しにくい状態であった。四天王像も本来は五重塔内で守護するため鎮座していた。コロナ禍で出かけることが少なかった分を取り返すのではないが、南山城地域をぶらりとしてみたくなった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。