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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

伝教大師請来目録 最澄筆

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延暦寺国宝館では伝教大師遠忌1200年を記念した展示会が行われている。いつも入れ替えのある2階部分に国宝2点は展示されている。室内の近くに展示されているので見比べると違いがあり楽しめる配置となっている。ともに最澄筆とされる書で、伝教大師請来目録は公的機関への提出用のため丁寧に書かれている。

資材帳と同じく、内容的には備品台帳なので無味乾燥なものである。ただ、請来というだけあり、大陸からもたらされた品々を残らず記載されているので、当時の輸入内容がつぶさにわかる。遣唐使は危険を伴う使節団で、難破や海賊被害などで行って帰るまで、命がけの工程となっている。にも拘らず、平安時代を代表する空海最澄はともに行き来でき、一大宗教家へと登りつくまでになった。弘法大師の請来目録も最澄が書いており、平安仏教の始まりを示す書となる。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。