国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

薬師如来座像 法隆寺

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聖徳太子法隆寺展の見学ルートは普段の逆になっているので最後のエリアが新館東館となっている。一番広く高さのある部屋は法隆寺の良い所を集めたテーマパークのような配列となっている。法隆寺から借り受けた貴重な品々を明るい空間で目の前で観ることが出来る。

そして、入り口からは見えないように門のオブジェが置かれて仕切られている一番奥に国宝彫刻達が斑鳩の地から馳せ参じている。四天王立像の広目天多聞天を左右に従えて鎮座しているのが薬師如来坐像で普段は金堂にある。金堂は立ち入ることができないので、近くで見ることはできない。それが、今回はショーケース内にあるだけで至近距離で観ることが出来る。そして、360度どの角度からでも見ることができることだけでもこの展示会に来る価値がある。

薬師如来坐像の背面には文字が書かれている。この文字を観ることは普段は絶対にできない。この内容が聖徳太子の信仰心の高さを物語るものなので、展示会のテーマとも合致する。見に来ている多くの人は正面のみを見て満足して、背面に回ることすらしないのはとても残念である。来る前の予習はとても大事であることを再確認できた展示会となった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。