国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

太刀 銘吉房 ふくやま美術館

備前・福岡一文字派が最盛期の頃の代表的鍛冶が吉房である。東博150周年で、同館所蔵の国宝の吉房2口が並べて展示してあった。その記憶が冷めやらぬ時期にふくやま美術館所蔵のものも見られたのは感無量である。 ふくやま美術館所蔵の則房は後世に擦り上げ…

短刀 銘国光 名物会津新藤五 ふくやま美術館

名物会津新藤五は写真の通り、スマートな短刀である。直線的ですらっとした形状と乱れの少ない刃紋、刃先に沿っての曲線美と非常にクールな姿をしている。作者の新藤五国光は粟田口国綱の子というのが通説がある一方で備前三郎国宗の指導を受けて大成したと…

短刀 銘左/筑州住 太閤左文字 ふくやま美術館

南北朝時代に作られたとされる日本刀で、太閤の名を関することから豊臣秀吉の愛刀である。聚楽左文字とも呼ばれる。短刀の優美さもさることならが、鞘のなど装飾の美しさはこれまでに見た中でも断トツでかっこよかった。金銀財宝で彩るものは数あれど、シッ…

太刀 銘国宗 ふくやま美術館

ふくやま美術館に久しぶりに訪れるとふくやま書道美術館という見慣れない看板があった。以前は近くの商業施設に入っていたが、ビルの営業終了にともないふくやま美術館の2階に移ったようだ。明・清時代の書画や文房四宝などを展示しており、同館の展示の幅…

太刀 銘正恒 ふくやま美術館

正恒は友成と並び称せられる古備前派を代表する刀工である。国宝には5口が指定されているが、その中でもふくやま美術館が所蔵しているものは正恒の典型的な作風とされる。太刀は全般的に大柄なため力強いを感じるが、同館のものは反り具合が絶妙で美しさも…

短刀 無銘貞宗 名物寺沢貞宗 文化庁

ふくやま美術館の展示会では林原美術館の名物九鬼正宗と文化庁の名物寺沢貞宗の2口の国宝が貸し出されていた。中央に展示してあった江雪左文字の脇を固める位置にあった。 作者の貞宗は正宗の実子とも養子ともいわれる人物で、親子共演となる展示配置となる…

短刀 無銘正宗 名物九鬼正宗 林原美術館

ふくやま美術館の展示会には9口の国宝刀が出品されていた。借り受けている刀などは撮影NG。林原美術館所蔵の名物九鬼正宗も撮影できなかった。 もともとは小早川隆景の所有だった正宗を九鬼守隆の弟に舞の褒美として授けた。しかし、九鬼の弟は関ヶ原の戦い…

太刀 銘筑州住左 江雪左文字 ふくやま美術館

昨年秋口から続く自館所蔵の国宝刀剣一気に見せます企画。東博、永青文庫と続いて、ふくやま美術館の「名刀 江雪左文字 ―江雪斎、家康、頼宣が愛した刀の物語―」に会期終了前に行くことが出来た。これで、19口(東博)+4口(永青文庫)+9口(ふくやま美…

【親鸞と高田本山】三帖和讃 親鸞筆 専修寺

三重にある専修寺は多くの国宝を抱える。2017年に御影堂と如来堂が国宝指定を受けた。内装は金箔で華やかに装飾された絢爛豪華な仕様。建立は御影堂が1666年、如来堂が1748年と来歴もはっきりしていることから評価された。建物は現地へ行かない…

【親鸞と高田本山】西方指南抄 親鸞筆 専修寺

JR紀勢本線の亀山駅から二つ目の駅、一身田駅から歩いてすぐにあるのが、真宗高田派総本山の専修寺がある。浄土真宗は親鸞の子孫の世襲をもって門主(門首)としているのに対して、高田派は親鸞の教えのみに帰依する。 その核となるの寺宝の一つが西方指南抄…

【親鸞】親鸞聖人影像 鏡御影 西本願寺 

祖師図の多くは亡くなった後に描かれることが多く、伝聞推定から描かれる。親鸞聖人の肖像画は生前、似絵の名手である藤原信実の子、専阿弥陀仏が描いたとされる。当時同時代に生きていた人たちがまるで親鸞を写した鏡のようだと言うことで、鏡御影と称され…

【親鸞】観無量寿経註 親鸞筆 西本願寺

親鸞の若き日の直筆。浄土三部経の一つ観無量寿経を書写して、朱筆で注釈を加えている。45歳前後の執筆物とされる。作家の井上靖はこれを親鸞聖人誕生800年の記念展で見て感動したそうだ。 浄土三部経は大無量寿経と阿弥陀経、観無量寿経があり、どれも親…

【親鸞】教行信証 坂東本 親鸞筆 本願寺

2023年は親鸞聖人が 誕生して850年の年となる。親鸞は日本最多級の信徒を抱える浄土真宗の開祖で、当時としては、いや今の時代でも長寿とされる90歳まで生きた。その生涯と教えを紹介する展示会・親鸞 生涯と名宝が京都国立博物館で3月25日から5月21…

普勧坐禅儀 道元筆 永平寺

冬の福井市へ行くことになった。今年は大雪が何度もあったようだが、そこは雪国、融雪装置が十二分に機能しており、市内の交通網はスムーズに動いていた。 福井市内の国宝を観るべく、永平寺へ行った。こちらでも残雪は大量に残っているものの、道路状態は水…

短刀 銘則重  永青文庫

永青文庫は早稲田方面から行くと一山登る必要がある。美術館となっている洋館が眺めを重視した小高い丘の立地となっている。この丘の麓に細川家の庭園が残っている。隣の椿山荘の庭園が素晴らしすぎるが、細川庭園も泉水式庭園の基本に沿った造りで和む空間…

短刀 無銘正宗 (名物庖丁正宗) 永青文庫

コロナも落ち着いてきたが、今回の展示会は完全予約制だった。念には念を入れた対応と思っていたが、別の次元で予約制だったことが入ってみて思い知らされた。それは刀剣女子たちの過熱した人気に対応するためだった。3年間のコロナ禍で予約制にすっかり慣…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。