ふくやま美術館の展示会では林原美術館の名物九鬼正宗と文化庁の名物寺沢貞宗の2口の国宝が貸し出されていた。中央に展示してあった江雪左文字の脇を固める位置にあった。
作者の貞宗は正宗の実子とも養子ともいわれる人物で、親子共演となる展示配置となる。肥前唐津城主であった寺沢志摩守広高の所持で、その後、豊臣秀吉、織田有楽斎長益、徳川秀忠へと伝わり、秀忠の遺物として紀州徳川頼宣に送られた。短刀としては少し長めであり、反りのない直線的な刀である。東博でよく展示されている名物亀甲貞宗と同じ作者で、力強さとより優雅さが感じられた。
この展示会の後に、京都文化博物館で有楽斎展があり、そこでも展示されるようだ。再開を楽しみにしたい。