国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

短刀 銘則重  永青文庫

永青文庫は早稲田方面から行くと一山登る必要がある。美術館となっている洋館が眺めを重視した小高い丘の立地となっている。この丘の麓に細川家の庭園が残っている。隣の椿山荘の庭園が素晴らしすぎるが、細川庭園も泉水式庭園の基本に沿った造りで和む空間となっている。早稲田方面からは庭園から小高い丘に登ってようやく美術館へたどり着く形になる。

永青文庫の国宝刀一挙公開のラストは短刀・則重だった。鎌倉末期の越中の刀工で、幻の刀工・郷義弘の師とみられている。刀身が24cmと小振りな割には力強さを感じる出来栄え。刀の表面は松の木の皮に例えられる松皮肌となっているもののそれ程目立たない。則重の傑作とされることから日本一則重と言われている。則重の中の則重、則重ナンバー1が永青文庫が所有するものである。

4階の刀剣の展示を見終えて、3階、2階の刀剣関連の細工へ移ること、細かな細工物が多く、これはこれで楽しむことが出来た。武家の棟梁たる細川家、美術愛好家としての護立の慧眼を合わせて観ることが出来た展示会だった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。