国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

普勧坐禅儀 道元筆 永平寺

冬の福井市へ行くことになった。今年は大雪が何度もあったようだが、そこは雪国、融雪装置が十二分に機能しており、市内の交通網はスムーズに動いていた。

福井市内の国宝を観るべく、永平寺へ行った。こちらでも残雪は大量に残っているものの、道路状態は水浸しだが歩くのに不自由はなかった。観光名所でもある永平寺曹洞宗大本山で、僧侶の修行の場となっている。なので、僧侶を含む撮影はNG。極寒の地での修業風景はNHKのドキュメントなどで見たことがある。禅宗は己を鍛えることが重要で、その過程で顔つきが変わってくるのが印象的だった。そのため、僧侶が写り込む撮影はNGとなっている。(プライバシーもある)

堂内は案内に従い見学できるが、足元が寒い。さすがに扉がない箇所には防風のためのトタン板が貼られていたが、それでも隙間風が入る。雪景色が楽しいのは観光客だけと言われるのも廊下を歩くだけで少し分かった気がする。冬場とあって観光客はまばら。とは言え少しは来ていたのがビックリだった。

建物は山の山腹を利用した建て方で、すべて廊下と階段でつながっている。この廊下と階段の掃除は僧侶のお勤めで、素足で拭き掃除するそうだ。なので、ちりひとつない綺麗な状態となっている。仏殿や法堂は中に入ることができなかったが、のぞき見は可能。シンプルな内装だった。これらを歩き見しているとなぜか法隆寺の上御堂を思い起こした。上段に行くほどに大切なものが祀られていたからかもしれない。

建物を見終えて、肝心の国宝はどこにあるかと探すと、物販などがある吉祥閣の出口の反れた廊下の先に瑠璃聖宝閣があった。だいぶ昔に行ったときは見逃していた場所である。

中に入ると一番最初に道元筆の普勧坐禅儀が展示されていた。座禅の奥義書で、南宋から帰国後に記したものである。これを記したのが1227年で道元が27歳の時。ひたすら坐禅にうちこむことが最高の修行であるとし、只管打坐の精神を広める書となっている。

宝物館にはその他に、越前を領地としていた戦国武将の書状などを展示していた。残念だったのが、一部で電気関係のトラブルで展示スペースをフル活用できていたかった点だ。なかなか行く機会がないので、多くの寺宝が見たかった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。