「村上隆 もののけ 京都」展で洛中洛外図の次に見ておきたかった国宝オマージュ作品は風神図と雷神図であった。
俵屋宗達の描く風神雷神図は屏風絵で、三十三間堂にある彫刻の風神・雷神を参考に描かれたとされる。力強さとユニークな表情が特徴の作品である。
村上隆の描く風神・雷神はというとユニークさ(ゆるさ)をとことん追求したものとなっている。やるきのない表情と比例するように凹凸のない体つき。風や雷を起こす動作に力強さはみじんも感じない。風神雷神を描くにあたって線を極力減らしていることが力の抜けようにつながっている。漫画的手法の神たちが創造する風や雷(自然現象)は色とりどりに彩色を施す。カラフルさは村上隆作品の売りの一つで、この色使いが人気を集めている。ルイヴィトンとのコラボでもそうだったが、配色の正解を見せつけられているようである。