日本美術のキラーコンテンツで、俵屋宗達の風神雷神図屏風。誰が観ても金箔のゴージャスさと風神雷神達の浮遊感と間抜け面でインパクト大の作品だ。
墨による雲の描き方がたらし込み手法が特徴で、自然に任せた仕上げが、まさに神の手として絶妙のスパイスとなって作品を別次元へと誘っている。また、絵に立体感を出すために彩色部分を胡粉で盛り上げて仕上げることで、暗闇でローソクの火で照らしたときに影が自然と作ることが出来る。西洋美術の油彩の立体感処理とは違う、鑑賞時の驚きを演出している。
風神雷神ともに鬼をモチーフにしているにも関わらず恐ろしさが全くない点も他にない味わいとなっている。ユニークな絵柄は宗教観が薄まることから、世界で通用する芸術品へと昇華できた。