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京都市京セラ美術館で開催している「村上隆 もののけ 京都」展(2024年2月3日から9月1日まで)と聞いて、現代アート作家の作品展なのだろうと決め打ちしていた。もちろん、現代アート作品展であることは疑いようがないが、そこに日本画のオマージュ作品、しかも国宝をモチーフにしていることを知り、少し興味を持ち見に行くことにした。
エントランスでは阿吽像のお出迎え。これだけで気持ちは高まり、いざ入場。入り口からすでに見えている作品が岩佐又兵衛の洛中洛外図を村上隆が解釈して作り上げた大作であった。
壁画として壁一面に描いた完璧な鳥観図。通路が狭いため引いて全体を見ることが叶わないが、近くで見ることを想定して細部まで書き込んである。
kokuhou.hatenablog.com岩佐又兵衛の洛中洛外図は屏風絵だが、京都の名所や当時の風俗を事細かく描写している。高さ160メートルぐらいに2曲1双の屏風の中に2500名ほどの人物描写がされている。一方で村上隆の作品は屏風の4倍近い約13mの大作。ダイナミックに描かれているのは村上隆のオリジナルキャラクターたち。街の中に出現した怪獣のような扱いだが、市中で生活する人々は気にする様子もない。主題につくもののけが日本では自然と調和しているというメッセージなのかもしれない。