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【東博150年】賢愚経残巻 伝聖武天皇筆

東京国立博物館開館150周年特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」は大好評につき、会期を1週間延長して、12月18日までの開催となった。会期延長に伴い、展示品は特別編成での公開となる。

特別編成の理由として、傷みやすい絵画などは公開日数に規定があるためだ。特に、後期に出品されている作品には、貸し出しを終えてからとんぼ返りで東博での公開となったものがあり、規定の日数に近いものがあった。労基法ではないが、公開(労働)時間は守らせなければ、管理者としては失格である。

特別編成で、目に着いたのは法眼円伊筆の一遍聖絵。Ⅱ期のみの公開だったことと、Ⅰ期に展示された平治物語絵巻が終了後に五島美術館へ貸し出されたことを受けて、登板となった。屏風は岩佐又兵衛筆の洛中洛外図屛風のみがエントリー。Ⅳ期で見た時は人気があり、人だかりとなっていたので公開スペースを広げての展示に期待した。 

書跡では賢愚経残巻の再登場がうれしい。書跡を集めた手鏡ではないが、賢愚経が初めにあると引き締まった気持ちになる。一方で、古今和歌集はお役御免で、延長戦での出場はなし。あれだけ人気を集めていたので、フル出場するかとも思っていたが難しかったようだ。第2章のほうでも、ぽつぽつと展示できないものがあり、少し寂しい感じかもしれない。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。