国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

釈迦如来立像 室生寺

室生寺の金堂には本尊で国宝の釈迦如来立像と脇侍で重要文化財文殊菩薩立像と薬師如来立像が並び、本来ならばそれを護る重文の十二神将が囲むが6体で守護する陣形となっている。

釈迦如来立像は平安前期を代表する仏像で榧の一木造り。もともとは薬師如来として造られたのだが、いつしか釈迦如来として扱われるようになった。高野山が女人均整だったことから、室生寺がその禁聖地の代わりとなり女人高野と呼ばれるようになったことも影響しているかもしれない。

釈迦如来の衣の紋様は規則性を感じるシンメトリーな仕上がりで、漣波式もしくは室生様式と呼ばれる。衣を朱色に仕上げているのも珍しい。また、光背の柄がはっきりと残っており、七仏坐像や宝相華、唐草文など曼荼羅を思わせる圧倒的な宇宙観を醸し出している。

そして、全体は見えないが、釈迦如来立像の後ろには板絵著色伝帝釈天曼荼羅図が描かれていて、角度を変えると部分的に見ることが出来る。本尊を移動させる訳にはいかないため、見えにくの国宝となっている。日光東照宮の唐門背面に匹敵する「見れそうで見れない」お宝となっている。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。