国宝展は複数品指定のものが1点だけもしくは会期を分けて出品されているケースが多い。スペースが限られているためだ。また、肖像画の伝源頼朝などのように1面を占拠して、すべての指定品を一度に見せる方法もある。
ところが、2面を使って一度に全部見せた作品があった。清涼寺の十六羅漢像である。中国絵画の部屋に8幅ずつ計16幅が対面に飾られ、一度に観ることができる。ただ、別の機会でもよかったと思える。せっかくの国宝祭なので、もっと多くの国宝指定品を観たかった。東博を含む、過去の国宝展では今回の210件を超えての出品数があったこともある。京都や奈良にある国宝の中国画をもっと観たかった。