高野山の霊宝館を訪れた日は大雨だったため、寺院を回る観光客はほとんどいなかった。しかし、霊宝館に国宝などお宝を観ることを楽しみにしていた人が若干来ていた。開幕日であったのだが、肌寒い気温と同様、待ちに待った熱気感はあまり感じあられなかった。
本館の絵画を飾る部屋の終わりの方で阿弥陀三尊像が展示されている。顔を除く衣などの輪郭が朱で描かれていた。最近のデジタル処理技術では下書きのために青や赤で描くことがあると聞いたことがあるが、中世の画材で朱は貴重なはずなので特別に使ったのだろう。密教と聞くと大日如来を想像するのだが、浄土信仰で庶民にも人気のある阿弥陀像の国宝2点が早くも登場。博物館などと違い、ガラス越しでなく直に見て、拝むことができる貴重な機会を得ることが出来た。