東博150周年展で人気企画だった自館所蔵国宝刀の一挙公開。年が明けて東西の有力国宝刀保有館が一挙公開展示を開催している。
一つは永青文庫。言わずと知れた肥後藩主の細川家の至宝を保存・公開している美術館。細川家が室町時代から続く名家で自館所有物が素晴らしいものが多い。それだけでなく、企画展でもアッと驚く内容で開催することもある。
同館が他にある大名の子孫が作った美術館と違うのは、単なる歴史ある名家が受け継いだ美術品だけでなく、永青文庫の設立者である細川護立の審美眼でコレクションが充実した点にある。明治・大正・昭和の時代に生き、禅僧の書画や近代絵画、東洋美術を蒐集した。そして、稀代の刀剣コレクターとしても知られ、同館が所蔵する国宝刀4口すべてが、細川家が代々受け継いだものではなく、護立のお眼鏡に掛かって購入したものである。
8年ぶりに4口すべて揃っての展示だそうで、5月7日まで開催している。長丁場の開催は大変ありがたい。これも自館所蔵品のみで構成した展示会だからできる。
・刀 金象嵌銘光忠 光徳 生駒讃岐守所持 (生駒光忠)
・太刀 銘豊後国行平作 (古今伝授の太刀)
・短刀 無銘正宗 (名物庖丁正宗)
・短刀 銘則重 (日本一則重)