国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

本堂 十輪院


古都・奈良は寺院が多いが、大規模な総本山に観光客が集中しているためか、小規模の寺院に行くと観光客は少なく静かなことが多い。元興寺のある奈良町はおしゃれスポットやグルメの街として若者を集めるための宣伝を多く見られるが、お寺さんも点在している。

冬の奈良大和路キャンペーンの一環で、普段は非公開である奈良町のお寺さんを2023年1月と2月の2回に分けて土日祝のみ公開するイベントが開かれている。1月は西光院、聖光寺、小塔院、法徳寺、阿弥陀寺、2月は興善寺、高林寺、金躰寺、称念寺、誕生寺、徳融寺が公開される。

その1月公開の寺院を散策するついでに、十輪院に参拝した。こちらは路地ぶらならまちキャンペーンの一環で特別な御朱印が登場。書いてもらう間に寺院内を見学した。社務所が見える入り口から本堂へ入ると、他の寺院と同じように祈祷をする場所があり、その正面奥にご本尊の石仏が鎮座している。この石仏自体は石の厨子によって囲まれており、建物ができるまでは、それで完結していたようだ。

鎌倉時代に石仏龕を拝むための礼堂が当時の住宅風に作られ雨風を防いだ。その後、祈祷を上げる背の低い外陣用の建屋が作られ、微妙に建て増ししたような造りになっている。奈良市内には巨大な仏殿(東大寺がその代表)が建ち並ぶ中で、こじんまりとした十輪院の本堂も国宝の指定を受けているのが奈良の奥深さを表している。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。