国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

木簡 平城京跡

大津市歴史博物館で壬申の乱展を見た。壬申の乱の後に遷都した都が平城京で、その痕跡を再確認したくて、平城京跡資料館に行った。

ここはその名の通り、平城京跡に建つ資料館。跡地からは木簡や当時使用していた食器などが大量に見つかった。幸か不幸か、平城京から都を移した後、奈良市内では大規模な開発がされることなく近代まで経った。そして、遺跡に対して文化財保護の意識が高まった、近代になって開発が進んだことから、多くのものが発見され保管する運びとなった。

木簡は正倉院にあるものは伝承する目的で保管しているが、発掘されたものは廃棄したものがたまたま残った。なので、公式記録にはない当時のありのままが分かる一級資料となった。役所の文章類から、手習いのために書いたもの、荷札として用いたもの、品物管理、落書きまで様々な目的で使用しており、中には削って再利用しているものも少なくない。国宝には3000点近くが指定を受けている。

奈良文化財研究所70周年記念かつ平城宮跡史跡指定100周年を記念して「地下の正倉院展 -平城木簡年代記〔クロニクル〕-」と題した特別展では発見された木簡を展示していた。前期は平城宮跡最初の木簡を初め、甲斐国からのクルミの荷札、兵衛の木簡を展示していた。平城京に全国から品物が届き、軍事的にも目を光らせることが分かる。

高貴な身分の教養として識字率が高くなってきた時期で、紙が相当貴重な時代だからこと木簡が日常的に使用され、それが奈良の地では腐敗せずに残った。書いた人々はまさか後世で国宝となるとは想像せず廃棄していたことだろう。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。