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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【茶の湯】桃鳩図 伝徽宗筆

今年の秋は例年に比べて早く訪れている。残暑があっさりと終わり、観光には快適な良い天気が続いている。京都にも観光客が戻りつつあり、本格的な紅葉シーズンにはコロナ前の賑わいに戻りそうだ。

さて、文化の日を挟んだ週は、博物館や美術館でいろいろなイベントが行われることが多い。京博では特別展が開催中だが、貴重な国宝が11/3~6と文化の日を祝うのようなスケージュールで公開されていた。

貴重な国宝とは伝徽宗筆の桃鳩図。所有者の意向で、10年スパンで期間するも短期間しか公開されない代物となっている。秘仏のように決まった周期で公開されるのなら予定も立てやすいが、いつどこで公開されるか分からないものは注意深く情報がでるのを待つしかない。

桃鳩図は八分咲きの桃の木の枝に鳩がとまっているだけの絵。そのシンプルさゆえに、誤魔化し様がない。フルカラーの絵画で、桃の花や鳩の羽のグラデーションは見ていてうっとりする。伊藤若冲動植綵絵の美しさに引けを取らない出来栄えである。

美しさだけでなく桃鳩図は捺印によって東山御物として、足利幕府が手に入れたことが分かる。徽宗筆かどうかはさておき、将軍家のお品であったことは証明される。なかなか見ることができない貴重な国宝だが、10年に1度でも見る価値のある国宝である。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。