国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

三重塔 一乗寺

播州にある一乗寺の宝物館は基本的に2週間前までに予約が必要で、行ったから見ることが出来るシステムではない。ただ、例外があり4月と11月の第1日曜日は事前予約なしで見ることが出来る。ちょうど桜か紅葉の見ごろの季節で、それに合わせる形で見に行った。

一乗寺の国宝といえば、絹本著色聖徳太子及び天台高僧像の10幅で、最澄天台宗展を初め、東博の国宝室や奈良博の珠玉の仏教美術などで展示されていた。そもそも宝物館には現物はなく、東博、奈良博、大阪市立美術館に分かれて寄託されている。本物の代わりとして宝物館には便利堂によるコロタイプで高精密複製されたものを展示していた。近くでじっくり見ることができたが、そこは複製品。経年劣化による傷みの表現には限界が見えた。

宝物館は入り口近くにあり、本堂へは階段を登らなければならない。その途中に国宝の三重塔がある。相輪伏鉢に承安元(1171)年の刻銘があり、建立年代は平安時代末期といことが分かっている。多くの塔は見上げるのみだが、一乗寺の本堂は三重塔より上に作られていることから見下ろすことができる。相輪伏鉢の銘までは読み取れないが、あまり例を見ない塔の鑑賞方法が味わえる。

一乗寺西国三十三所巡礼の26番札所ということで、道路が整備されていて交通の便はよい。バスの本数が少ないのは地方では仕方ない。姫路駅から気軽に行くことが出来る古刹となっている。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。