国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

金銅宝相華文磬 瀧谷寺

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えちぜん鉄道三国港駅東尋坊へ行く一番近い駅である。駅からバスで行けるのだが、もう一つ手前の三国駅からもバスが出ている。国宝の磬を保有する瀧谷寺三国駅から歩いて10分程度で行くことが出来る。これだけ近いにも関わらず訪問者は少なかった。それもそのはず、国宝を保管している宝物館が雨漏りで最近まで閉館しており、年明けにようやく再開したところだからだ。

国宝の磬は5点あり、宇佐神宮禅林寺興福寺中尊寺の4点を見た。それぞれ名の通った有名寺社ばかりだ。瀧谷寺の見ることでコンプリートとなる。

瀧谷寺は入り口で入山料を払い、山門までの登りの階段を歩く。距離3分ほどでついたが、滑り留めの敷物が引かれていたので、焦って転ぶ人いたのだろう。頂上の山門は梵鐘と一体となっている造りで、入るとすぐに本堂などがある。国宝へと逸る気持ちを抑えつつ本堂と観音堂を見る。まず、和尚の説明があり、観音堂の本尊御開帳が令和9年にあるとのことで、機会が合えば見に行きたい。解説を終えると自由に寺内を散策。檀家を集めて説法するにはちょうど良い広さで、観光用の寺院というより地元密着寺院であることが分かる。ただ、平安時代以降の仏像が無造作に廊下で見ることができたのは歴史ある寺院の中でもなかなかない試みで、ショーケースなしに見れたのはとても満足できた。あと福井県下で初めて名勝指定を受けた庭園もあった。池泉式庭園で、寺院の裏側にあり、表だけ見る分には豊富な水があるとは想像もできない。江戸時代中期に作られた庭園で、非常に寒かったが雪はなかった。白化粧された風景を見てみたい。

お目当ての国宝のある宝物館は本堂を出た離れにある。本堂から直接は見えないが、歩いてすぐとなっている。コンクリート造りの近代的な建物で、越前の古刹であることから戦国武将の書状が残っている。写真でもちらっと見える仏様の左右には虎の屏風が飾られ、寅年を祝っている。国宝の馨は正面から見て左手の奥にある。バットマンのマークのような下部がギザギザの外観は飛翔しそうな勢いを感じる形状となっている。ぜひ音色を聞きたいと思うのだが、実際に使っているもの以外では聞く機会がないのが残念。妙心寺のように録音したものでも流してほしい。宝物館の展示品はそれほど多くないこともあり、拝観料に含まれているのは良心的。東尋坊に行くのならば、ぜひ寄っておきたい寺院である。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。