国宝の建築物はたいていの場合は現地に行けば見ることができる。なので、国宝巡りをする上で、近くに行ったついでに見ることが多い。数をこなすうちに国宝建築物の大半を見ることが出来た。これまで国宝を単に観ることに主眼をおいて見てきた。ここらで付加価値をつけた国宝を観たいと考え、夜の彦根を訪れた。
今年の桜は当初の開花予想よりだいぶ遅れて花開いた。彦根を訪れたのは4月の第1週の週末で、8分咲きといったところだ。彦根城の桜の見どころは石垣から堀にかけてこぼれ落ちる桜。それがライトアップされ光で浮かび上がる。同時に、水面に反射しシンメトリーな景色が現れる。もちろん国宝の天守閣も水面に写る。この時期だけの特別な風景。城郭内でも桜のライトアップが行われていた。昼間の花見酒の喧騒とは違い夜はおとなしい花見客が多かった。