国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

五重塔 醍醐寺

醍醐寺五重塔は毎月29日に写経することで内部を見ることができる。この日に合わせて行けば簡単に国宝の五重塔の内部を見ることが可能なのだ。今回、弘法大師生誕1250年を祝って10月と11月の数日のみ特別に内部公開を実施していたので、11月の回に見に行った。

醍醐寺は春に訪れることが多い。なにせ豊臣秀吉が開催した醍醐の花見が有名な寺で桜の名所となっているためだ。秋も紅葉が綺麗なのかもしれないが、今年は夏日が10月頃まで続いたせいで、全国的にも紅葉が遅れているようで、それほどではなかった。

さて、特別公開では普段は閉じている五重塔の1階の扉が4方向すべて開かれていた。受付を済ませて、入場券代わりの御朱印をもらって裏側へ回る。係員からとりあえず一周してから中の拝観となると言われて四方の扉から内部を見まわす。心柱の部分はようやく目視できるレベルで仏画が残っていた。天井に描かれた図柄ははっきりと分かり、内部の壁に描かれていたであろう絵も薄っすらと残っていた。最近修理を終えたばかりで、塔を支える4本の柱は新しくなっており、旧の柱は霊宝館で展示していた。さて、見どころとなっていたのが、壁に描かれていた弘法大師像。ちょうど裏側の扉の近く、正面の扉からだと真正面に見える位置に描かれていた。板を張り替えたためか一部分の絵だけとなっていたが、肖像画などでよく見る空海そのものであった。ほかの箇所にも顔らしきものが描かれており、真言八祖の画像なのだろう。醍醐天皇の親族を祀る墓的な塔となっており、京都で最古の五重塔として、また応仁の乱で焼けなかった数少ない木造建築として歴史的価値の高い塔である。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。