国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

当麻寺 東塔

当麻寺は4月に訪れたばかり。奈良博の特別展・中将姫と當麻曼荼羅の予習を兼ねていた。今回は復習を兼ねて訪れた。ただ復習だけでは物足りないので、国宝塔で唯一双塔が残っているが、特別展に合わせて初層を開放しているので、それに合わせて行くことにした。

真夏の当麻寺は駅から寺院までほぼ日陰がなく、緩やかな登り道をてくてくと歩く。汗がだらだらと流れ、ひと汗かいた頃に山門に着く。山門にいるはずの阿吽の金剛力士像1体がいない。暑さで逃げ出したのではなく、修繕のために持ち出されたようだ。

山門正面からすぐに見える国宝の鐘は相も変わらずオーラがなく、鐘楼の下に国宝を示す看板がなければ文化財の指定を受けていることすら気づかない。

国宝の鐘の背景には東塔が見える。境内の位置的には少し外れているので、意識しないと見に行かないが、立て看板で東塔と西塔の初層開放の知らせがポイントごとに置かれているので引き寄せららるように向かう。

まずは東塔。受付があり、体温と連絡先の記入が必要なものの無料で見ることができた。普段は囲いがあり、塔の土台部分の基壇に登ることすらできないが、囲いの戸は開かれ、初層が見やすい位置まで行くことが出来た。さすがに中へは入れないが、円柱の心柱と、東西に1体ずつ計2体の仏像をじっくり見ることが出来た。興福寺や東寺などの塔には四方を囲むように計4体が配置されていたが、2体となると何とも寂しさがある。平安期の塔で、真言宗系だと室内に派手な彩色があってもおかしくないが、ほぼ何もなくシンプルであった。歴史がある塔だが、室内からは長い歴史は感じられないことから、拝観料を取って特別公開する塔のような観光アイテムとならずに済んだ。静けさを求める人にぴったりの国宝である。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。