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興福寺 五重塔

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薬師寺東塔の改修工事が終わったのがついこの前だったが、今度は興福寺五重塔が改修工事に入る。その前に秋と来春に内部公開を実施するので見に行くことにした。

五重塔自体は外側から何度となく見ていたが、内部に入るのは初めて。心柱を中心に四方に三尊形式の仏像がそれぞれ並ぶ。仏像それ自体は金箔は剥げ落ち、脇侍の中には両腕がないものもあった。国内最多の国宝仏像を有する興福寺にあっては見劣りしてしまう彫刻群ではあった。

明治時代の廃仏毀釈によって五重塔は売りに出されたそうだ。売値は木材の値段ぐらいにしかならず安かったようで、この行為を憂いたことが要因のひとつとなって文化財保護制度の確立が進んだ。改めて内部を見て思ったが、興福寺の他のお堂に比較して売却するとしたら五重塔になってしまうのも頷ける。内部に彩色がある訳でもなく、仏像群も移設すればよいだけのことと思えば、塔自体への信仰心がなければ必然の結果かもしれない。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。