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【皇室の名宝】花園天皇像 豪信筆 長福寺

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三の丸尚蔵館の名品が集合した京都国立博物館の「皇室の名宝」展の後期にぎりぎり行くことができた。

展示会は予約制となったため、予定が立つまでやきもきしながら予約サイトを見続け、スケジュール調整がついた途端に朝一番の開館すぐの時間で予約した。普段から15分前ぐらいに着くように心がけているが、今回も9時10分ごろに到着。3年前の国宝展では裏口近くまで列ができていたことを思い出したが予約制なので列は少ないだろうと予想していた。ところが列が全くできていない。近所迷惑?なので、予約時間前だが庭までは進めるようにしているのだろうと高を括っていたがすでに開館・入場していた。三密対策としてなるべく待たさない措置なのだろうが、朝一予約の特権としてうれしい対応だった。

早い時間での入場だったが、来場者はそこそこ入っていた。3階の書跡ではすでに列が出来ていた。前期に来たのでスルーしようにもほとんどが入れ替え。となりの絵巻物も巻替えや場面転換しているなど見どころばかり。ただ、2階にはまだ人がほとんど降りていなかったので断腸の思いで2階から見学した。

2階もほとんどが入れ替え。若冲動植綵絵も4幅とも入れ替えでもう一角の展示スペースが円山応挙から若冲に替わり、若冲スペースと化していた。

後期のみの出品国宝は1階にあった。山水屏風は京博所有で、灌頂儀式で用いる道具。仏教伝来の大陸へ渡ってするのが本来の儀式だが、時間や費用面でそうもできないので、せめて中国の風景でもという屏風である。結構傷んでいるのは、この屏風を使って僧侶が誕生した証である。

皇室の名宝ということで天皇肖像画もお目見え。ヨーロッパの貴族たちはかっこよく描かれていることが多く、一つの絵画として成立する。一方で、天皇家肖像画は特徴こそ捉えているようだが、お世辞にもかっこよくはない。花園天皇像でも垂れ目で志村けんのバカ殿のデフォルメ絵に似ている。皇室の権威主義が現れていない牧歌的な時代だったのかもしれない。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。